クリエイターフレンドリーなポッドキャスト発見アプリ「Moonbeam」

ポッドキャストのダウンロードは2020年、空前のブームとなった。そしてKayak(カヤック)の共同創業者でテック起業家のPaul English(ポール・イングリッシュ)氏は毎日聴く熱心なリスナーになった。しかしポッドキャストを愛する人は、ポッドキャストを探すのが難しいものであることを知っている。Apple PodcastsやSpotifyのような人気のストリーミングアプリすら使える発見ツールを欠いている。そうしたことから、先週Spotifyがポッドキャスト発見アプリのPodz(ポッズ)を買収したのは、この業界における新しいコンテンツを発見する簡単な方法に対する需要が次第に増している事実を示すものとなった。
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イングリッシュ氏は米国時間6月24日、パーソナライズされたレコメンデーションを提示するのに機械学習と人間によるキュレーションをミックスさせたポッドキャスト発見アプリMoonbeamを立ち上げた。ユーザーが好きそうなニュースフィードスタイルのコンテンツストリームを作るという、Podzが提供しているものと似ているように聞こえるかもしれない。しかしMoonbeamは、ポッドキャストホストがMoonbeamで特集する自身の番組のクリップを選べるようにしているクリエイターフレンドリーなプラットフォームを作ることで賭けに出ている。Moonbeamはまた、ファンが番組を気に入った場合、そのクリエイターにチップを送れるようにもしている(Moonbeamは手数料を取らないが、ポッドキャスターが考慮に入れなければならないアプリ内購入手数料はある)。
画像クレジット:Moonbeam
「Podzは発見のための1つのアプローチですが、多くの人がこの問題に取り組むべきニーズがあると考えています」とイングリッシュ氏はTechCrunchに語った。「MoonbeamがPodzと異なる点は、人間のエディターがいることです」。
イングリッシュ氏は、部分的には洗練された発見アルゴリズムのお陰でユビキタスな存在になったTikTokに感化された。エンジニアとして、同氏は楽しみでInstagramやTwitterなどのアプリをよく再設計する。しかしポッドキャスティングに興味を持つようになるにつれ、同氏はTikTokのように機能しつつ新しいポッドキャストを見つけるのを手伝うアプリを作りたくなった。TikTokでいうとFor Youページに相当するBeamセクションでは、長さ数分のクリップをユーザーに提供する。そうしたクリップにどのように反応するかに基づき、アルゴリズムはあなたがどういう種のポッドキャストを視聴したいかを学習する。
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画像クレジット:Moonbeam
「機械学習はあなたの友人よりもあなたにうってつけのコンテンツを探すことができます。あなたが持っているのと同じようなおもしろいユーモアのセンスを持っている人をドイツで発見するかもしれません。あなたの最も親しい友人とは少し違うかもしれません」とイングリッシュ氏は話した。「機械学習はユーザークラスタリングをします。あなたが好きなものと似たようなものを好むユーザーを見つけると、Moonbeamでそうしたユーザーが聴いている番組を共有できます」。
しかしMoonbeamのようなアプリで注意が必要なのは、多くの人がアプリを使うほどに、さらに機能するようになることだ。公正にいうと、アプリは6月24日にリリースされたが、初期段階ではポッドキャストレコメンデーションの多くは比較的よく知られた番組から選ばれる。しかしすでに多くのポッドキャストがあることから(すべての番組がNPRによって制作されているわけではない!)、問題は「This American Life」を発見することではないということだ。大手制作スタジオのサポートがなければポッドキャスト業界で試みようとしないような新出のクリエイターを探している。クチコミにより一晩でセンセーションを起こすことが十分可能であり、これはクリエイターにとってTikTokを価値あるものにしている要素だ。ポッドキャスター向けに同じような価値を生み出すアプリがあったらどうだろう?
Moonbeamは2週間ごとにソフトウェアをアップデートする計画だ。アップデートではリスナーがお気に入りのポッドキャストを制作したチームとやり取りできるようにする一連のツールを導入する見込みだ。こうした機能の最初のものとなるチップはすでにアプリに導入されている。間もなく、ファンとポッドキャスターはMoonbeamでシェアするために自前のクリップを作ることができるようになる。Moonbeamのウェブサイトに誘導するポッドキャストのホストは現在、自身の番組を宣伝し、そのクリップを作ることができる。Headlinerのようなアプリよりもナビゲートするのはややスムーズではないが、機能的だ。
「リスナーとホストの間にかなりのツールを追加するつもりです」とイングリッシュ氏は話した。「関係構築はとても重要です。我々はそれを直接プレイヤーの中でしたいと考えています。Facebookや他のサイトに行く必要はないようにしたいのです」。
Moonbeamではアプリでエピソードすべてを聴いたり、特定の番組を検索したりできるため(たとえBeamに表示されなくても)ポッドキャッチャーとしても機能するが、ポッドキャッチャーはたくさんある一方で発見アプリはそうではない。Moonbeamがそうした状況を変えることを期待したい。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:ポッドキャスト、機械学習、Moonbeam、アプリ
画像クレジット:Moonbeam
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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi)
[紹介元] TechCrunch Japan クリエイターフレンドリーなポッドキャスト発見アプリ「Moonbeam」